国交正常化から20年を迎え,日中関係は大きく発展してきた。しかし発展とともに,さまざまな摩擦や紛争が生じてきたことも否定できない。 友好関係の発展にとって,日本の対中経済協力がはたした役割はきわめて大きなものであった。両国関係全般と同様に,経済協力もまったく問題がないわけではない。20年をへて,経済協力もある意味で転機を迎えつつあるのかもしれない。 本稿はこうした問題意識をもって,20年の日中関係を概観するとともに,対中経済協力の実績を検証したうえで,今後の協力の在り方について若干の提言を試みる。