2023 年 101 巻 2 号 p. 139-148
最近の研究により大気自由振動のPekerisモードが検出されたことに触発され、大気自由振動の等価深度を決定する問題の高精度数値計算を行った。ここでの計算方法は過去の研究のものをほぼ踏襲しているが、計算精度を向上させるための修正を加えている。2つの等価深度が見つかり、その値は9.9kmと6.6kmであった。前者は Lamb モードに対応し, 後者は Pekeris モードに対応する。これらの値は, 以前の研究で得られた値からずれており、特に Pekeris モードに対してずれが大きい。この食い違いの原因について考察するとともに、本研究で得られた等価深度と、Pekerisモードを検出した最近の研究で得られた等価深度との対応についても考察する。