2020 年 98 巻 4 号 p. 835-857
日本でのメソ対流系の理解を深めるために、解析雨量から豪雨域を客観的に検出・分類する手法を新たに開発し、積算降水量分布を解析雨量から評価して豪雨域の特徴を調査した。2009年~2018年の暖候期(4月~11月)における豪雨域を検出し、その形状や時間変化をもとに4種類(線状停滞型、線状型、停滞型、その他)に分類した。豪雨域は東・西日本の太平洋側で高頻度に分布し、豪雨域の約80%は6月~9月にみられ、約60%は停滞前線と台風本体にともなって観測されていた。線状停滞型として検出・分類された豪雨域の約80%は、先行研究で知られる典型的な線状降水帯事例と一致した。