気象集誌. 第2輯
Online ISSN : 2186-9057
Print ISSN : 0026-1165
ISSN-L : 0026-1165
日本における気候の永年変化について(第1報)
遠藤 二郎
著者情報
ジャーナル フリー

1951 年 29 巻 3 号 p. 90-96

詳細
抄録
これまで調べたところによりまず境の気候の永年変化には,
1. 明治36年から大正13年まで(前期)の気候と同14年から昭和21年まで(後期)の気候は不連続的に変動していること.
2. 日照,最深積雪量,蒸発量等は後期が前期より増大し不照日数,暴風日数,湿度等は逆に減少していること.
3. 日照の増大は夏に最も多く,湿度並びに暴風日数の減少は冬に最も多いこと.
次に日本各地の気候の永年変化には,
1. 前期の気候に対し後期のそれは変動していること.
2. 日照の変動は概ね表日本側の多照地帯では減少し裏日本側の寡照地帯では増大する傾向があり,湿度の変動は概ね表日本側の寡湿地帯では増大し裏日本側の多湿地帯では減少する傾向があること等が判つた.
終りに御多忙中資料をいただいた中央気象台統計課を始め全国各気象官署並びに御指導を賜わつた米子測候所三沢所長,大阪管区気象台調査課赤井課長,青木技官,御代読の勞を与えられた中央気象台檜山技官の各位に対し深く感謝の意を表します.
著者関連情報
© 社団法人 日本気象学会
前の記事 次の記事
feedback
Top