抄録
雨水の溶在酸素量を1957年9月から東京で測定している。雨水を流動バラフイン中に受けウインクラー法で酸素量を決定している。1957年9月から1958年3月にかけての測定結果によると,三宅,猿橋(1949)が指摘したように雨水は地上に到達したばかり.の時には酸素未飽和であることが多く,飽和度は85~100%であった。
雪の溶在酸素量は0°C,1気圧の水の飽和量に比して60%前後,つららは約58%,市販の氷は約43%の酸素量をもつていることが見出された。
個々の降雨雪について,ラジオゾンデ,レーダー,シーロメーター及び飛行記録の資料を使つて雨雲の状態を決定し,これと測定された溶在酸素量を対照した結果幾つかの事実が見出された.この論文では測皐結果とその事実を述べ,解釈を試みた。