気象集誌. 第2輯
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1961年10月30日の核爆発実験により生じた気圧波について-序報
村山 信彦
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1962 年 40 巻 4 号 p. 222-231

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抄録
1961年10月30日北極圏内核実験により生じた気圧波は地球を一周以上回り,日本で3回記録された。(1)最短距離を来た第1波,対蹠点を通つて来た第2波,地球を1周以上し再び第1波と同じ方向から来た第3波の伝搬速度はそれぞれ318,306,317m/s;(2)周期-速度関係は山元の4層モデルにかなりよく合う;(3)昭和基地の記録との比較より,第1波の波動のエネルギーは距離の2乗に逆比例する;(4)第2波の波面の顕著な変形;(5)第3波の最大振幅が第2波のそれより大きい,などがわかつた。爆発の規模の簡単な評価を行なつたところ,約56メガトン前後であると推定された。
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© 社団法人 日本気象学会
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