抄録
平常時,事故時をとわず,原子力施設から放射性ガスが大気中に放出された場合,このガスは乱流拡散によって施設の周辺に分散する.そのさい,周辺の大気濃度を評価するいわゆる拡散式については0.G.Sutton(1947),F.PasquillandP.J.Meade(1958),J.Sakagami(1960)などの研究がある。筆者は原子力気象調査会(主査川畑幸夫博士)の一員として,PbI2の煙粒子を用い約3km範囲の拡散実験を実施し(1958~1959),東海村近傍においてはMeade(1959)の拡散式が実用に供し得るとの結論に達した。その後,筆者は研究所内関係者の協力のもとに,1961年原子力研究所の2号炉(JRR-2)を利用して41Aガスを大気中に放出し,これによって形成された放射性雲の通過にもとづく地表面でのγ線曝射量を測定した。そして,Meadeの拡散式による空間濃度分布から計算した放射線量と,前記実測値とが比較的良好な一致を示すことを確認した。