気象集誌. 第2輯
Online ISSN : 2186-9057
Print ISSN : 0026-1165
ISSN-L : 0026-1165
対流圏じょう乱と成層圏じょう乱とに関係した全オゾン量の変化
清水 正義
著者情報
ジャーナル フリー

1964 年 42 巻 1 号 p. 26-42

詳細
抄録
オゾン全量(O3)と500mb高度(H)との相関,O3と30-100mb層厚(Z)との相関を使って,オゾン全量に対する2種類(対流圏・下部成層圏のじょう乱と,中部成層圏のじょう乱)の影響を調べた。調査資料は1959年1,月から1961年12月までのEdmontonのものを使った。そしてこの種類のじょう乱とオゾン全量との関係が季節によりどう変わるかを見る。HとZとに関する03の多重相関係数は0.7~0.8(日々の値につき),および0.6~0.7(日々変化量につき)ぐらいですべての季節にわたって割合安定していた。
次にオゾン全量と中部成層圏のじょう乱との関係の一例として11963年1.月の成層圏突然昇温期におけるオゾン全量:の変化を調べた。昇温域にあったGoose Bayではオゾン全量と50 mb気温とが平行して変化した(相関係数十0.97)が,昇温域から遠いEdmontonでは両者の相関は良くなかった。また,1963年1月から3月までにGoose Bayで観測されたオゾンゾンデの資料を用い,冬から春にかけての種じゅの高度におけるオゾン量の変化を調べ,高緯度成層圏昇温後のオゾン全量の変化の大部分が,30mb~圏界面間でおこり,しかもそれが対流圏・下部成層圏のじょう乱に影響されていることを見る。
著者関連情報
© 社団法人 日本気象学会
前の記事 次の記事
feedback
Top