気象集誌. 第2輯
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水溶液霧粒の凍結について
宇津 雄平佐野 〓
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1965 年 43 巻 5 号 p. 290-292

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抄録
水滴の凍結におよぼす可溶性物質の効果を研究するために我々は電解質ならびに非電解質の稀薄水溶液の霧粒(直径8μ)について凍結温度を測定した。
電解質の水溶液の霧粒は純水のそれより過冷却し難く,ある濃度において凍結温度の極大値を示したが,非電解質の場合には純水とほとんど違いがなく,極大値もみられなかった。また,電解質の水溶液(濃度10-4mole/l)の場合,カリウム塩が最も有効であり,陽イオンのイオン半径と凍結温度の上昇度との間に著しい依存性のあることがみとめられた。
我々は,これらの結果に基づいて,電解質のイオンには水滴の凍結をうながす作用のあることを結論した。
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© 社団法人 日本気象学会
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