2018 年 336 巻 p. 153-
本稿は、「特別の教科 道徳」の指導方法・評価等について(報告)の中で例示された質の高い多様な指導方法の一つ「道徳的行為に関する体験的な学習」に注目し、役割演技を用いた2つの授業実践を考察する。具体的には、役割演技の特性を生かし、再現のプレイと解決のプレイという目的を持たせた学習活動を通して、教材の効果的な活用を行う。本稿における教材の特性を生かすとは、読み物資料で描かれる道徳的な行為を取上げることである。その考察の結果、「内面から行為へ」「行為から内面へ」という双方向の学びが、教材の特性を生かした授業づくり、つまり、読み物資料の中の行為に着目した授業づくりにはあり、児童生徒の生きる社会につながる生きた学びになると判断した。