抄録
低緯度偏東風中の擾乱の時間変動を,σ-座標系の断熱2層プリミティブ方程式を用いて,24時間追跡した.
取扱った2例の数値計算では,擾乱め発達•減衰はリチャードソン数Riによって支配される.リチャードソン数が小さい場合,Ri=5,では擾乱は発達し,大きい場合,Ri=100,は減衰する.前者では,垂直の相互作用が強く,傾圧性が卓越したことによる.発達した擾乱の構造は,偏西風擾乱と似た特長を示している.
本p文で取揖った範囲では,低緯度大気はChameyのスケール理論で云うように必ずしも順圧的ではなく,垂直方向の相左作用が重要であるようである.