気象集誌. 第2輯
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ボアソン方程式の直接解法について
小倉 正子
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1969 年 47 巻 4 号 p. 319-323

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抄録

ボアソン方程式の数値解法としては,緩和法が広く用いられてきたが,これらの方法では精度のよい解を求めるためには,時間がかかりすぎるという欠点があった.ここでは長方形の変域上で定義され,Dirichlet型の境界条件をもつポアソン方程式より得られる微差方程式を直接といて解を求める直接解法についてのべる.即ち固有ベクトルを用いて座標変換を行うことにより,この方程式を互に独立な連立一次方程式の集合としてあらわし,三重対角行列をもつ各々の連立方程式を解くことによって,もとの微差方程式の解を求める.この解法によれば,十分な精度の解が得られ,また,座標変換のさいの行列の乗算に,1966年にCooley及びTukeyの提案したFast Fourier Transform法を用いることによって,演算回数も十分少くすることができる.

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