気象集誌. 第2輯
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Hyperbolic Tangent型のシアーをもつ安定成層中の有限振幅擾乱の準線型および非線型相互作用
田中 浩
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1975 年 53 巻 1 号 p. 1-32

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抄録
Hyperbolic tangent型のシアーをもつ安定成層中に発生する擾乱の準線型および非線型成長について, shapeassumption方式と直接的に時間積分する方式との双方で調べられた.前者にもとずく計算から,種々のRichardson数と波数に対して速度変動の強さの最大値と平均成長率が求められた.成層が中立の場合に関して計算された速度変動の最大値を風洞中で測定された値と比較して良く一致していることがわかった.
Kelvin-Helmholtz型波動の性質に関しては,時間積分方式で詳細に調べられた.流線関数 渦度および温位の成長の時間変化が,最大5個のharmonicsを含む非線型系まで数値的に追跡された.擾乱の成長の初期の段階では,種々の非線型系に関してそれほど大きな差異は現われない.というのは高次のharmonicsが基本モードにほとんど影響を与えないからである.しかしながら時間が経過すると,種々の系の間の波動構造の差異が拡大される.すなわち準線型系を含む低次の非線型系では,周期変動が卓越するのに対して,高次の非線型系ではそのような変動がおさえられる.高次の非線型系に関して得られた結果は現実の下層大気中で起るKelvin-Helmholtz波をかなり適確に表現していると考えられる.
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