抄録
海洋上でのITCZのシノプティックスケールの構造を,太平洋と大西洋での観測から求めた.温度分布の解析によれば,ITCZは対流圏下層でwarm coreで,中層ではcold coreである.水蒸気分布は,中央のコアの付近ではあらゆるレベルで大きな値を示す.比較的乾いているのは中央コアのすぐ外側の700mb付近にみられる.風は地表近くでは比較的乱れていないが対流圏中層ではかなりの乱れがみられる.観測された構造に関する物理過程が述べられ,また,これらの過程に基づいてシノプティック系としてのITCZのエネルギー論が述べられる.