抄録
冬期北西の季節風に伴って石狩平野に進入してくる降水を伴った雪雲の大気電気的性質を知るために,北海道石狩町で地上大気電場,雪結晶の結晶形とその電荷および融解直径の同時観測を行なった.
その結果,一般にいわれているように,単純な樹枝状六花は正電場のもとで負の電荷を持っていたが,同じ樹枝状六花でも比較的大きな雪片になったり,濃密雲粒付結晶や霰になると正の電荷を持ち,同時に電場は負になることがわかった.更に融解直径の頻度分布の解析から,上述の正の電荷を有する結晶が降っている時は,最大頻度を示す直径は,負の電荷を有する結晶が降っている時に比べて,それより小さな値を示すことがわかった.このことから,比較的大きな雪片や濃密雲粒付結晶が正の電荷を有する機構として,それらの結晶が降ってくる途中で外側の細かい枝などがちぎれ,負の電荷を持ち去るためと考えられ,また空気中に浮遊している小さな氷粒が降ってくる雪片や霰と接触するか,または接近した際に負の電荷を獲得し,その結果雪片や霰が正の電荷を有するものと結論された.