気象集誌. 第2輯
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メソ擾乱に及ぼす大規模場の影響についての数値シミュレーション
近藤 洋輝
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1981 年 59 巻 1 号 p. 123-132

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抄録
主として,大規模場がメソ擾乱に及ぼす影響を調べる為に,限られた領域のモデルを開発した。それは,高度と水平速度については7層,鉛直速度と温度と湿度については6層からなる。層の間隔は,下層の擾乱がよく表わされるよう下の方で小さくなっている。
1968年5月23日00GMTのデーターをシミュレーションの初期値に選ぶ。その数時間後にNSSLネットワークで,典型的なスコール•ラインの生成が期待されているからである。
予備的な実験の結果,提案された側面境界条件は,全質量の場に何ら人工的な変化をもたらさず,上記の初期値場に適用できると見られる。
水平格子間隔が6°Nで47.7kmである本実験においてシミュレートされた場は,本質的には大規模場である。上昇流の最大値の位置は,観測されたライン•ストームによく対応し,この場合の局所的なライン•ストームの生成•維持の重要な要因になっていると見られる。
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© 社団法人 日本気象学会
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