気象集誌. 第2輯
Online ISSN : 2186-9057
Print ISSN : 0026-1165
ISSN-L : 0026-1165
回転順圧大気中における波動擾乱と帯状流の発達と相互作用について
Qing-Cun Zeng
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 60 巻 1 号 p. 24-31

詳細
抄録
回転球面上の順圧大気中において,準地衡風擾乱と帯状流が発達し相互作用をするありさまを,WKB法と積分形式を用いて調べた。このふたつの方法による結果は良く一致し,互に相補うものである。この議論ではavailable zonal energyとrotational adaptationというふたつの概念を導入した。その結果,回転球面上の大気運動は常に非等方性を保ち,適当な条件の下では完全な帯状流となることがわかった。帯状流或いは超長波に重畳した発達(減衰)する擾乱は,ジェットの強さが適当で安定条件を満す場合,そのサイズ,つまり局所的な波長を増大(減小)させる。また発達する擾乱は角運動量をジェットから外に輸送しジェットとそのシアーを弱める作用を持つ。(減衰する擾乱の作用はその逆である。)その上,発達(減衰)する擾乱の伝わる速さは遅まる(速まる)傾向のあることもわかる。
著者関連情報
© 社団法人 日本気象学会
前の記事 次の記事
feedback
Top