気象集誌. 第2輯
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工業流出物最適化の数学的問題
G. I. Marchuk
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1982 年 60 巻 1 号 p. 481-485

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抄録
工業起源の汚染物質から環境を保護する問題は,科学者や技術者にとってますます関心の深まってきた問題である。著者は,住宅地,保養地,耕地など生態学的に重要な地域をあらかじめきめておいて,そこでの汚染を最小にする目的で大気中に有害エエロゾルを放出する工業企業体の配置を考えた(Marchuk,1976,1978)。本論文では,同じ問題を別の観点から扱った。すなわち,あるきめられた地域の全工業企業体は既に操業しており,ある程度の量の有害エエロゾルを大気中に放出していると仮定する。そして,全エエロゾル量を,生態学的に重要な地域や対象物に対して決められている衛生規則の許容基準値以下におさえるべく,各企業体毎に放出を許認するエエロゾル量を決定することをめざした。同時に,工業企業体の生産性を減ずる結果となるような,全放出物の減少はさけねばならない。それ故,今回の取扱いでは,最大限の経済効果を保持するという拘束も,流出物の規制に対して課することにした。
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© 社団法人 日本気象学会
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