抄録
豪雨域に発生する対流圏の内部重力波を期待して数例の豪雨について高層観測データを調べた。そのうちの1例の1971年7月1日12時について内部重力波にともなうと思われる明瞭な気温•湿度•風速変動を検出できた。それらの変動幅はそれぞれ~2°K,~20% および~4m/sec であり,水平および鉛直波長は~400km および~3km であった。変動は豪雨終止後の2日00時には検出されない。データの不足から力学的解析は行われず,また変動の物理的解釈も充分にできなかったが,対流性ストーム域の対流圏の内部重力波の最初の観測例として報告する。