気象集誌. 第2輯
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日中の長波長放射の測定法
佐藤 威
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1983 年 61 巻 2 号 p. 301-305

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抄録
ポリエチレン膜のドーム付風防型全天放射計の,短波長放射(直達光,散乱光)と長波長放射に対する感度の違いを,快晴時のデータから,従来のShading Disk Methodとは別の方法(Regression Method)により調べた。
その結果,直達光,長波長放射,散乱光の順に感度が高いことがわかった。感度の違いは,ポリエチレン•ドームの透過率と反射率,それに受光面の吸収率の波長依存性,および,直達光は太陽の方向のみから入射するのに対し,散乱光は全天から入射することによるものと思われるが,定量的な議論はなされていない。日中の長波長放射は,全天日射量Sの経験的な関数f(S)を用いて,次式で求めるのが実用的である。L=σTS4+KLυ-f(S)S
f(S)はSの減少関数であるが,これは本研究で明らかにされた直達光と散乱光に対する感度の違いに起因する。
f(S)は快晴時のデータから決定されたが,他の気象条件(曇天,雨天)の時でも使用可能である。
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© 社団法人 日本気象学会
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