抄録
フラックス調整のある簡単な海洋混合層モデルを用いた全球気候モデルを500年間積分し、気候の自然変動を示す時系列データ(全球平均地上気温)を得た。このデータには最大幅0.7℃の数十年規模の気温変動が見られる。温暖期の地理分布は、高緯度で最大値を待ち地球温暖化実験で得られているものと似ており、これら二つの現象の区別が困難であることを示している。1877-1987年の観測された気温上昇トレンドをモデル結果のパワースペクトルから推定されるトレンドの誤差と比較した所、観測される気温上昇トレンドはモデルでシミュレートした自然変動では説明できないことが分かった。