気象集誌. 第2輯
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板状雪結晶の落下運動の観測
第2部:雲粒付結晶の自由落下パターンと速度変動
梶川 正弘奥原 京一
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1997 年 75 巻 4 号 p. 811-818

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抄録
雲粒付の板状雪結晶について、自由落下パターンと落下速度の鉛直および水平成分の変動を立体写真法により観測した。
不安定落下パターンは非回転、振動および回転またはらせんの3つに大別された。これらの型の差異は、結晶の雲粒付着量を考慮すると、無次元慣性モーメントと平均落下速度に関するレイノルズ数の組み合わせに依存していた。
鉛直成分の変動の標準偏差は小さく、平均落下速度の約3%以下であった。一方、水平成分の変動の標準偏差はかなり大きかった(平均落下速度の約4~15%)。従って、ほぼ同じ形とサイズの雲粒付の板状雪結晶の不規則集合過程においては、落下速度の水平成分の変動が重要な役割をしていると考えられる。
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© 社団法人 日本気象学会
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