1999 年 77 巻 6 号 p. 1177-1184
1992~95年にインドネシア共和国西ジャワ州・スルポン(6°S,107°E)で実施された京大境界層レーダー(BLR)観測によるデータを用いて、雨季の対流圏下部(0.4~3.2km)における風速変動を調べた。まず周波数スペクトル解析から、4日程度の周期性を持つ振動(準4日モード)の卓越が見出された。3~5日のバンドパスフィルターを用いて取り出された準4日モードは鉛直方向にほぼ位相の揃った構造を持っていた。1992/93年雨季の気象庁客観解析データを見ると、700hPaにおける準4日モードの南北風成分は概ね西向きに位相伝播していることがわかった。