2000 年 78 巻 6 号 p. 871-879
本研究は、アジア地域とその6つの小地域の現在気候の広域パターンについて、A-O GCMの再現性について評価した結果をまとめたものである。本研究では、IPCCがHamburg(ドイツ)とNorwich(英国)に開設したデータ提供センター(DDC)が収集,配付している7つのA-O GCMの漸増数値実験によって得られた計算結果を用いた。アジア大陸では、HadCM2,ECHAM4,CSIRO,CCSRモデルが観測された現在気候の再現性を十分有していた。しかし本研究で用いたA-O GCMの多くは地域レベルの現在気候の再現性について限界がある。