2005 年 11 巻 1 号 p. 81-87
精神看護学の講義に内観を取り入れ、2ヵ月の記録内観後のレポートを分析した結果、他者との関係を見直し、謙虚に自己洞察し、愛情の再体験をしていた。また、質問紙調査の結果からは、自己肯定意識尺度の「被評価意識・対人緊張」項目、信頼感尺度の「自分への信頼」項目、YG性格検査の総得点と「抑うつ」項目及び自己受容尺度の内「役割的自己」の項目において変化がみられた。特に記録内観後のレポート内容分析で「感情面の変化」があった学生にその傾向が強いことが明らかになった。
看護基礎教育において、自己理解と患者への共感的理解が図れるような情意形成にむけて効果があるのではないかということが示唆された。