2006 年 12 巻 1 号 p. 73-79
集中内観における中断者を減少させる工夫を摂食障害者の事例を通して検討した。私達のこれまでの研究により中断者の特徴を示唆し、さらに第一回面接で非内観群と評価された人に中断者が有意に多いと知り得た。それを踏まえて、まず面接方針と面接構造について、次に複数の内観者における介入の工夫について、最後にカウンセリング的援助という視点から考察を進めた。面接者の姿勢は基本としては傾聴であるが、実際は中断者の特徴である自我レベルが低い人もいるため、中断してしまう人もいる。そのため面接状況を3つのステージに分けて考え、内観者の状態を見極めながら5日目まで積極的な介入をした。これが有効に働いて本格的な内観となり、今回の事例の中断をくい止めることができた。