2021 年 27 巻 1 号 p. 45-59
本研究は、内観面接者の資格認定制度化を受けて、内観面接者に必要な知識やスキルを体系化し、教育プログラムを開発するための研究の一環として実施された。高橋・李(2020)で明らかにされた第2世代の内観面接者が若手内観面接者として抱いた困難を受けて、それらの困難について、第1世代がどのように理解し、対処してきたかを明らかにすること目的とした。内観面接経験20年以上の熟達内観面接者約4名の協力を得てインタビュー調査を行い、KJ法で分析を行った結果、≪面接者のあるべき姿≫≪内観の枠≫≪内観中の対応≫≪面接者の葛藤≫≪面接者の学び≫≪研修所協会の存在≫≪若手面接者の育成≫≪内観の危機≫の8つのカテゴリが得られた。これらのカテゴリの内容から、内観の枠の意味付け、内観中の対応―面接の基本、面接者の葛藤―面接者が気を付けるべきこと、面接者の学びと若手育成の必要性―内観研修所協会の存在について考察された。