内観研究
Online ISSN : 2435-922X
Print ISSN : 2432-499X
短報
成人ADHDに対して内観療法をおこなった1症例
尾上 了三塚﨑 稔
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2021 年 27 巻 1 号 p. 61-67

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抄録

 本報告は、注意欠如多動症(ADHD)と診断された患者に対して内観療法をおこなった1事例である。不注意、衝動性などのADHD特性を考慮すると集中内観は多大なストレスを伴うことが予想されたが、内観面接者の受容的かつ柔軟的な関わりによって集中内観を遂行でき、それが患者にとって治療転機となった。内観療法に加えデイケアで内観的認知療法(以下NBCT)を行い1年が経過した後のYG性格検査と半構造化インタビューにより、患者の心理的変化や職場内対人関係の変化を検証した結果、内観療法によって得られた自己イメージの変化は、その特性と継続的なデイケアへの参加によって長期間良好な影響を与えることの可能性が示唆された。

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© 2021 日本内観学会
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