2022 年 28 巻 1 号 p. 81-90
森田療法の第1期に行われる「臥褥」に代えて内観を行いその適否を検討した。精神科の患者を対象として、わたしたちは「メンタルホスピタルかまくら山」において令和元年4月から精神科病院という環境で十数名の患者に内観および森田療法を行ってきた。その結果森田療法の第1期に臥褥の代わりに内観を行うことで同じような効果が得られることが分かり、さらに内観のもつ付随的な利点が見られることもわかった。以下に内観と森田療法の類似性と相違について検討し、森田療法の第1期として内観を用いることにどのような意義があるのかについて考察し、さらにこの内観・森田療法を行った一例を報告する。