2024 年 30 巻 1 号 p. 33-44
周知のように、内観は屏風という非日常の空間に籠って、静座しつつ、自分自身と向き合うことが求められる。その結果、様々な声や音が現出することがある。それは沈黙が生んだ作品であり、「音霊」と言ってよいだろう。
それは言葉(言霊)とおなじく人間存在に欠かせないものだ。ここでは、内観面接の陪席中に逆転移による頭痛を発症した陪席者がそれを鎮めるために自分の中から生まれてきた言葉(詞)に音を乗せたところ頭痛が治まった。それを音楽療法の視点から考察を加えて報告することにした。