内観研究
Online ISSN : 2435-922X
Print ISSN : 2432-499X
原著
個人神話の創造としての内観プロセス : 総論
溝口 隆司
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2001 年 7 巻 1 号 p. 37-45

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抄録

 内観は過去を振り返る自己省察法である。それを自己啓発のために用いても、心理療法と考えても、あるいは癒しの方法論としても構わない。どのように捉えようとも、独特な内観的思考法を獲得し、その中で何に気づき何を感じるかがすべてである。内観による自己省察の本質は、身近な人との関係性の問い直しを通して過去の再構築を行うことであろう。それが結果的に治癒的な効果に結びついていくのである。この小論は、内観者が心にバランスを回復していくさまを、個人神話を創りだすプロセスとして考えようとする試みである。そのコンテクストの中では、内観で起る現象が少しずつ違った顔を見せはじめるのが興味深い。母 (母性性) は内観で重要な役割を果たすと言われながらも、それを日本文化の特徴に帰することで良しとする傾向が強いように思う。特に、その点を個人神話という角度から照射することに意義を感じる。

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© 2001 日本内観学会
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