日本健康・栄養システム学会誌
Online ISSN : 2758-3309
Print ISSN : 2432-3438
訪問栄養食事指導の実施と管理栄養士のワーク・エンゲイジメントとの関連
古賀 奈保子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 20 巻 2 号 p. 1-9

詳細
抄録

目的:訪問栄養食事指導を実施している管理栄養士におけるワーク・エンゲイジメント(WE)との関連性に ついて明らかにし、訪問栄養食事指導を担う管理栄養士の今後の育成にWE を活用し、在宅療養高齢者の栄 養管理の推進に寄与することを目的とした。 方法:全国の病院や施設等に勤務する管理栄養士ならびに関東地域の1栄養士会の協力を得て紹介された管理 栄養士を対象者とした。調査時に訪問栄養食事指導を実施している管理栄養士(実施群)55人及び訪問栄養食 事指導を実施していない管理栄養士(非実施群)73人に群分けし、自記式無記名調査票を用いた横断的比較対 照研究を行った。調査項目は、調査項目は、「性」、「年齢階層」、「勤務状況(勤務先、雇用形態、勤務年数、勤務 地域、仕事の満足度)」、「訪問栄養食事指導の実施状況(実施の有無、実施上または実施できない問題点、実施 希望の有無)」、「仕事以外の地域活動の実施」、「WE(UWES-J 9項目版)」とした。 結果:実施群のWE は、非実施群と比較して高いことが示唆された。実施群は「仕事をしていると活力がみな ぎるようになる」、「職場では元気が出て精力的になるように感じる」といった「活力」、ならびに「仕事をして いるとつい夢中になってしまう」といった「没頭」の状態が高いことが示唆された。また、実施上の問題点とし て、人員確保、訪問栄養食事指導の低い認知度、実施方法やシステム構築がわからないこと等が挙げられた。 結論:管理栄養士による訪問栄養食事指導を推進するためにWE を活用することは有効と示唆され、WE を 高める個人の取り組みや環境整備について検討することが必要であると考えられた。 キーワード:訪問栄養食事指導、ワーク・エンゲイジメント

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本健康・栄養システム学会
次の記事
feedback
Top