抄録
2018年台風21号は,非常に強い勢力を保ったまま9月4日12時頃徳島県南部に上陸し,その後も北東に進み,14時頃には兵庫県神戸市付近に再上陸し,15時には日本海海上へ抜けた。台風の通過に伴い,近畿地方や四国地方東部で暴風となり,関西国際空港では観測史上第1位の最大瞬間風速58.1mを観測した。台風の通過時には950hPa台の最低海面気圧を観測し,大阪湾沿岸の神戸,西宮,尼崎,大阪等では観測史上最高の潮位を観測し,関西国際空港が冠水した他,大阪湾や紀伊水道の沿岸でも高潮や高波による被害が発生した。また,暴風により自動車の横転や住家の損壊,電柱の倒壊による停電も各地で発生した。