山地河川で集積した流木により橋が閉塞すると,水位上昇により氾濫被害が拡大する。既往検討の多くは針葉樹を対象として直線形状の流木に着目している。2018年7 月豪雨では広島で曲がった幹形状の流木が確認された。しかし,幹形状の違いによる橋への閉塞の影響は明らかにされていない。本研究では,現地調査により東広島市内の山間部から流出した流木について,曲がり形状に着目して検討して,異なる曲がり度のS 字型と弓型の代表的な曲がり幹形状の流木を提案した。次に,水理実験を行い,直線形状の幹と二種類の曲がり幹形状について検討した。 曲がった幹形状の方が直線よりも小さな流木流量で閉塞が起こり,ロジスティック解析からも,曲がりの程度が大きな弓型の方が,S 字型よりも顕著に閉塞することを確認した。