抄録
本研究では,東日本に大きな被害をもたらした令和元年東日本台風を対象に,アンケート調査を通じて,事前情報の効果や住民の災害対応の時間変化に基づく特徴を確認し,その分類化を試みた。併せて,住民の属性や災害後のふり返り状況,災害ポテンシャルの指摘が対応行動にどのように影響したか確認した。調査の結果から,住民の災害対応は,その内容や順序により大きく6 種類に分類され,そのうち3 分類が多くを占めていた。また台風が間近に迫った12日0時の段階でも,十分に災害対応が取られていない状況も確認された。事前情報による災害リスクの認識は一部に留まり,災害前後でそのイメージの差異も確認された。