自然災害科学
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令和6年能登半島地震特集 速報
令和6年能登半島地震により発生した石川県内における道路被害の概要
千葉 啓広
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キーワード: 災害調査, 地震, 道路, 盛土, 斜面
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2024 年 43 巻 3 号 p. 437-448

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抄録
本速報は,令和6年1月1日に石川県能登地方において発生した地震に関して,道路被害に着目して報告するものである。路線別の被災要因では,のと里山海道路及び,能越自動車道においては,道路盛土の崩壊による路面被害が主な被災要因である。一方で,沿岸部を経路とする国道249号線及び県道38号線等では,斜面崩壊を要因とする地点が多くみられた。最大傾斜角度は,斜面崩壊を要因とする地点の平均値は約32.6度,一方で路面被災の地点は,約18.5度と差が見られた。また,道路中央の標高と路肩の標高差については,斜面崩壊の地点は道路中央より約20m 高い斜面である一方で,路面被災では,10m 前後の盛土形状であることが推測される結果となった。等高線判読による沢地形の判読を試みた結果,いずれの地点も沢地形または,等高線の凸部に関わる地点であることが明らかになった。
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© 2024 日本自然災害学会
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