抄録
2024能登半島地震においては,ライフライン施設も壊滅的な被害を受け,その復旧には長期間を要した。このことは,被災地における生活や産業・経済に多大な影響を及ぼしたばかりでなく,緊急対応や復旧活動を阻害する要因となった。本報告では,供給系ライフラインのうち電気・水道に焦点を絞り,災害間比較の観点から,震度曝露人口,供給系ライフラインの被害・復旧,避難者数について,能登半島地震と5つの地震災害を比較して検証を行ったものである。比較対象としては, 2度の大震災としての1995年兵庫県南部地震と2011年東北地方太平洋沖地震に加えて,それ以降の主要地震として2016年熊本地震,2018年大阪府北部の地震,2018年北海道胆振東部地震の計5 地震をとりあげた。