Journal of Neuroendovascular Therapy
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原著
頚動脈ステント留置術中に回収されたデブリスの同定:頚動脈内膜剥離術病理標本と対比して
林 健太郎堀江 信貴森川 実宗 剛平竹下 朝規陶山 一彦永田 泉
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2011 年 5 巻 2 号 p. 99-105

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抄録

目的】頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting;CAS)は主にフィルターデバイスを用いて行われる.我々は術後にフィルターをHematoxylinEosin(HE)染色し,回収されたデブリスを観察している.本研究では頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy;CEA)病理標本とデブリスを比較し,デブリスの性状の同定を試みた.【対象と方法】当科にてCASを施行した27例(28病変)とCEAを施行した49例(49病変)を対象とした.デブリスの観察はフィルターをHE染色し,filter membraneをstrutより離断し,プレパラートを作成後に観察した.CEAで摘出されたプラークは固定後に包埋し,切片を作成した.HE染色および特殊染色し,観察した.【結果】CEA標本にはプラーク内出血,血栓,石灰化,コレステリン結晶,線維性被膜,炎症細胞浸潤,平滑筋増殖などが観察された.CASで回収されたデブリスは血栓性デブリス,石灰化デブリス,脂質性デブリス,線維性デブリス,細胞性デブリスなどと同定された.【結論】CASで回収されたデブリスはCEA病理標本と比較することで,その性状を同定できた.
〈第26回日本脳神経血管内治療学会学術総会優秀演題推薦論文〉

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© 2011 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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