2013 年 7 巻 2 号 p. 94-100
【目的】内頚動脈海綿静脈洞瘻で発症し経動脈的コイル塞栓術後に出血性合併症を繰り返した血管型Ehlers-Danlos症候群の一例を経験したので報告する.【症例】41歳女性.外傷の機転なく突然の左眼痛・眼球結膜充血が出現し,脳血管撮影の所見から左直接型内頚動脈海綿静脈洞瘻と診断した.経動脈的塞栓術により動静脈瘻は消失したが,術後に出血性イベントを繰り返し,皮膚生検で血管型Ehlers-Danlos症候群と診断した.【結論】外傷歴のない直接型内頚動脈海綿静脈洞瘻においては血管型Ehlers-Danlos症候群の合併に留意し治療計画を立てる必要がある.