2014 年 8 巻 5 号 p. 289-297
要旨: 【目的】脳動脈瘤塞栓術中のコイルの母血管逸脱に対し,サポートカテーテルを使用して挽回し得た2 例を報告する.【症例1】81 歳女性.前交通動脈瘤塞栓術中に左A2 へコイルが逸脱したため,サポートカテーテルの先端をコイル塊に押し当て,他のコイルの逸脱を防ぎながらsnare で逸脱コイルを回収した.【症例2】73 歳女性.脳底動脈左上小脳動脈分岐部動脈瘤塞栓術中,母血管にコイルが逸脱した.サポートカテーテルで逸脱コイルをneck 付近まで押し戻し,balloon 補助下に追加塞栓することで瘤内に絡め入れた.【結論】状況によっては,サポートカテーテルを利用することで逸脱コイルに対して安全,簡便かつ迅速に対処しえる.