抄録
【目的】Triaxial system により経動脈的塞栓術を行った腰部spinal ventral epidural arteriovenous fistula 症例を報告する.【症例】78 歳男性.緩徐進行性の下肢対麻痺,膀胱直腸障害で発症した.第3 腰椎左腹側硬膜外静脈叢への動静脈shunt による鬱血性脊髄障害であった.Feeder は左右第3 腰動脈から分岐するdorsal somatic branch で,shunt 存在部位と対側の血流が優位であった.Triaxial system で右第3 腰動脈からretrocorporeal anastomosis を介した塞栓術を施行し,shunt の完全閉塞を得た.【結論】脊髄症例においてもtriaxial system により,マイクロカテーテルを安全,確実に目的部位に到達させ,有効な治療を行うことが可能である.