Journal of Neuroendovascular Therapy
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原著
Anterior condylar confluent dural AVF に対する経静脈的塞栓術,バルーンアシストの有用性について
清水 信行鈴木 謙介藤井 淑子井上 佑樹杉浦 嘉樹河村 洋介鈴木 亮太郎高野 一成永石 雅也滝川 知司田中 喜展兵頭 明夫
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2015 年 9 巻 4 号 p. 179-186

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抄録
【目的】比較的稀とされるAnterior condylar confluent dural AVF(ACC DAVF)に対して当院で治療経験した症例群のその臨床的特徴,治療方法,転帰をまとめる.【方法・結果】2011 年4 月から2014 年8 月に至るまで,当院で治療したACC DAVF は5 例6 病変で,平均年齢65.6 ± 8.9 歳,全例男性であった.病片側は,左2 例,右2 例,両側1 例であった.いずれも耳鳴を主訴に発見された.流入動脈は,上行咽頭動脈5 例,後頭動脈2 例,椎骨動脈4 例であった.4 例でシャント部にvenous pouch の形成が確認でき,その大きさは平均9.8 ± 2.5 mm であった.静脈に逆流する血行動態を持つものは6 例中4 例であった.全例で,経静脈的にtargeting embolization が可能で,うち3 例でmicro balloon を併用した.その結果,使用したコイルは平均10.4 ± 2.87 個,コイル長は平均100 ± 37.6 cm であった.脳血管撮影上,全例でシャントは消失し,また耳鳴も消失した.術後,舌下神経麻痺など重篤な合併症を呈した症例は皆無であった.術後の観察期間は平均15.3 ± 11.1 ヶ月で,再治療を有したものはなかった.【考察】ACC DAVF は,近年,経静脈的コイル塞栓術が有効であるとの報告が散見されるが,micro balloon を用いて,venous pouch を標的としたtargeting embolization を施行することで,舌下神経麻痺を回避することができ有用と考えた
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© 2015 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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