Journal of Neuroendovascular Therapy
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原著
スーパー政宗(第一報)─開発経過と動物実験─
江面 正幸木村 尚人上之原 広司
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 9 巻 4 号 p. 187-191

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抄録
【目的】われわれは以前ダブルルーメンマイクロバルーンカテーテルである政宗を開発した.今回はこのバルーンをさらに柔軟にしたスーパー政宗を開発し,動物実験で検証した.【方法】すでに商品化されているシングルルーメンのスーパーコンプライアントバルーンと同等以上のコンプライアンスを目標とした.コンプライアンスを増すためスチレン系エラストマーを素材とした.この素材は半透膜ではないため,パージ孔を設置した.次に,家畜ブタに動脈瘤モデルを作成し,ヒトの動脈瘤塞栓術に近い状況で使用することにより,スーパーコンプライアントシングルルーメンマイクロバルーンカテーテルとの比較を行った.X 線所見に加えて,組織所見を点数化し組織傷害の程度を比較した.【結果】スチレン系エラストマーを使用しても,従来と同等のカテーテル径,バルーンサイズのバルーンを作成することができた.操作上は両者の違いは認めなかった.組織所見では,スーパー政宗の方が組織傷害が少なかった.【結論】スーパー政宗は,非常に柔らかいバルーンであり,バルーンカテーテルを併用した動脈瘤治療の治療戦略を大幅に拡大させるものである.
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© 2015 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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