抄録
【目的】未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術を行い,再開通,動脈瘤増大,破裂の経時的画像変化を捉えた1 例を経験したので報告する.【症例】75 歳男性.未破裂脳底動脈瘤に対しコイル塞栓術を行い半年後はcomplete occlusion であった.半年毎のMRA でフォローアップを行ったが,再開通をきたし,その後,動脈瘤の増大を認めた.再治療の同意が得られず,6 年後に破裂を来した.その間の動脈瘤の形状変化を10 回のMRA にて捉えることができた.【結論】破裂までの経時的な形状変化を捉えた画像は貴重であり,症例の蓄積が必要であるが,本症例では動脈瘤の頂点に達する血流を認めた時,もしくは動脈瘤の増大を認めた時に再治療を行うべきと思われた.