The Journal of Nursing Investigation
Online ISSN : 2434-2238
Print ISSN : 1348-3722
入院中の統合失調症患者に対するサルコペニア性肥満予防の取り組み:症例報告
髙井 朝加近藤 巧中井 省吾新開 員代片岡 睦子大下 小也香野田 美幸平田 一志合田 恭子三舩 義博大坂 京子谷岡 龍一谷岡 哲也
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2024 年 22 巻 1 号 p. 20-30

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抄録

統合失調症患者は,平均寿命が一般成人よりも10年から15年短いことが報告されている.そのため彼らの健康寿命を延ばすことが重要である.肥満(Body Mass Index,30kg/m2以上)で,心臓発作,糖尿病,脳血管疾患などの健康障害のリスクが高い統合失調症患者2名を対象とした.彼らは,サルコペニア性肥満を予防するための栄養指導を受け,毎日,肩関節の関節可動域運動および歩行訓練を行った.肩関節の関節可動域(屈曲,外転,外旋,内旋)は正常可動域を下回っていたが,ROMはわずかに増加した.したがって,関節可動域訓練は関節可動域を改善する可能性があると考えられた.しかし,これらの症例では,食生活の変化は認められず,体重は減少したが,筋力強化にはつながらなかった.したがって,サルコペニア性肥満の予防には,継続的な運動療法と栄養指導が必要であると考えられた.

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© 2024 国立大学法人 徳島大学医学部
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