抄録
高齢期の口腔機能の維持・向上を図ることは,生涯にわたって健全な摂食嚥下を保持し,全身の虚弱化を防ぐために有効である.口腔機能の低下に起因するオーラル・フレイルの改善は,今後の介護予防施策にも大きな影響を与える.本稿では,わが国の地域在住高齢者での疫学知見に基づき,フレイルの概念とその有症状況を示した.次に,フレイルのなかで,口腔機能や食に着目したオーラル・フレイルの概念形成に関するこれまでの研究動向をレビューし,今後の研究課題について検討した.
併せて,オーラル・フレイルに関連するわが国の健康施策の概要と口腔機能評価法について言及し,今後の高齢者歯科保健施策の方向性について考察した.