2019 年 68 巻 2 号 p. 81-88
Incident Command System(以下ICS)とは米国における災害や緊急事態における多機関での効率的な対応を実現するために指揮統制や調整に関する対応を標準化したものである.近年災害の多い日本において,災害対応能力を改善するために,その導入が検討されている.本稿ではICSの14の基本原則を踏まえつつ,医療公衆衛生の様々な現場でICSをどのように活用するべきか,そしてICSの課題を考えたい.具体的な事例として,心停止や外傷診療のような救急医療の現場におけるチーム医療,災害医療のマネジメントであるCSCATTT,原子力災害,大規模流行感染症,そして災害時のリスクコミュニケーションを紹介する.