保健医療科学
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論文
日本における市中肺炎球菌感染症による医療費
福田 治久鬼塚 浩明村田 典子
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2022 年 71 巻 1 号 p. 87-91

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抄録

目的:ワクチン接種プログラムの意思決定プロセスには,費用対効果評価が必要である.本研究の目的は,市中肺炎球菌感染症(PD)による医療費を推定することである.

方法:日本の29のDPC対象病院に入院した市中肺炎球菌感染症患者について,厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)の検査部門データとDPCデータを突合した.JANISデータにおいて血液検体が陽性の患者を侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と定めた.市中肺炎球菌感染症症例の医療費を推定した.

結果:解析対象症例は28病院における1,358症例である.IPD症例は69症例,非IPD症例は1,289症例であった.全PD症例,IPD症例,非IPD症例における平均医療費(標準偏差)は,それぞれ6,610ドル(13,133ドル),13,975ドル(16,415ドル),6,216ドル(12,823ドル)と推定された.

結論:本研究は日本において市中肺炎球菌感染症による医療費を初めて定量化することができた.

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© 2022 国立保健医療科学院
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