平成26年,薬事法は,はじめてその名前を変え,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」(通称:医薬品医療機器等法,薬機法)となった.また,令和の時代に対応すべく,令和元年末に直近の大改正が行われている(以下「改正薬機法」という).
改正薬機法では,AIやICT等の発展や国際的な動向も踏まえて,国民ニーズに応えるべく,優れた医薬品等をより安全・迅速・効率的に提供することや,一方で,地域でのより密接な医薬品等の提供の環境を構築すべく,その内容が盛り込まれている.医薬品の製造という点においては,製造管理及び品質管理の基準に適合しているかの調査について,製造所単位での調査も可能となるような制度が追加された.
一方で,医薬品,医療機器等の製造・製造販売等においては,昨今の不適切な事案を踏まえた,より一層の法令遵守体制の整備が求められることとなっている.加えて医薬品の製造管理及び品質管理の基準であるGMP省令が,令和 3 年に改正され,より国際的な基準に整合を図ったものとなっている.
このように薬機法及びその関係法令は,より高度なものとなっている中で,京都府では新たに,このような変化していく規制において,事業者の方々が,適切な形で乗り越えて行っていただくために令和 2 年 4 月に「京都府薬事支援センター」を起ち上げ,各種支援を行っている.
本稿では,改正薬機法の内容を中心に,薬機法の制度概要や,医薬品等の製造に際して必要な情報,そして,京都府薬事支援センターとしての取り組みについて紹介する.