自然言語処理
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論文
依存関係確率モデルを用いた統計的句アライメント
中澤 敏明黒橋 禎夫
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2010 年 17 巻 1 号 p. 1_99-1_120

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抄録
語順や言語構造の大きく異なる言語対間の対訳文をアライメントする際に最も重要なことは,言語の構造情報を利用することと,一対多もしくは多対多の対応が生成できることである.本論文では両言語文の依存構造木上での単語や句の依存関係をモデル化した新しい句アライメント手法を提案する.依存関係モデルは木構造上での reordering モデルということができ,非局所的な語順変化を正確に扱うことができる.これは文を単語列として扱う既存の単語アライメント手法にはない利点である.また提案モデルはヒューリスティックなルールを一切用いずに,句となるべき単位の推定を自動的に行うことができる.アライメント実験では,既存の単語アライメント手法と比較して,提案手法にではアライメントの精度を F 値で 8.5 ポイント向上させることができた.
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© 2010 言語処理学会
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